年金だけでも老人ホームに入居できるの?

老人ホーム1

高齢化が進むなかで、老人ホームを終の棲家にしようと考える人も増えてきましたよね。一般的に「老人ホーム」と呼ばれる介護施設は、実は多様な種類の施設に分類されます。ここでは、どのような種類の介護施設があるのかについてご紹介しましょう。

年金だけでも入居できる低負担の老人ホームもありますので、老人ホーム選びの参考にしてくださいね。

老人ホームにおける湿度管理の重要性や適切な加湿方法について

民間の介護施設と公的な介護施設の違い

介護施設には、民間の介護施設もあれば、公的な介護施設もあります。民間の介護施設としては、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、グループホームが挙げられます。公的な介護施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院があります。

民間の介護施設の場合は、自立して生活ができる人から要介護の人まで幅広い介護レベルの人が入居することが可能です。一方、公的な介護施設の場合は、要介護レベルが高く、自分一人では日常生活を送るのが困難な人を入居対象とした施設が中心です。

公的な援助を受けられる施設は、利用者の経済的な負担が少なくて済みます。民間の施設については、月額の使用料に加えて、入居金としてまとまった金額を用意する必要がありますが、公的な施設であれば、入居金は不要で、月額料金に関しても民間の施設よりも少ない料金で入居できます。参考サイト-ウチシルベ ... 老人ホーム探し方

特別養護老人ホームについて

特別養護老人ホームは、特養の略称で知られています。公的な施設である特別養護老人ホームは、費用負担が少なく、年金だけでも入居できる老人ホームのひとつです。24時間体制で介護を行ってもらえるため、急な体調の変化が生じた場合でも、対応してもらいやすくて安心です。

入居者は、食事や入浴といった基本的な日常生活の援助や介護を受けられるだけでなく、レクリエーションに参加するなど、生きがいを見つけて暮らすことができます。特別養護老人ホームは、基本的には65歳以上で要介護度が3以上の人が、入居の対象者となります。

公的施設であることから、民間の施設と比べて倒産する心配がないのも魅力です。原則として一生涯入居可能な施設のため、心穏やかに日々を過ごすことができるでしょう。

経済的な負担も少ない特別養護老人ホームは、入居を希望する人が多く、地域によっては空き状況が少ないのが現状です。入居を希望して申込みをしても、待機期間が何年も掛かってしまうというケースもみられます。政令指定都市や東京23区内など利便性の高い立地にある施設の方が待機期間が長くなりやすく、郊外や地方の施設の場合は比較的スムーズに入居しやすいという傾向があります。

特別養護老人ホームには、多床室型とユニット型の2種類があります。多床室型は一部屋を複数の人で使用する相部屋タイプの特養で、介護士が効率よく介護をできるため、費用が安い施設が多いのが特徴です。ユニット型の場合は、10人程度の小グループを1ユニットとし、ユニット単位で介護をしてもらう方式になっていて、個人の生活スタイルを尊重したケアが受けやすいのが魅力です。

介護老人保健施設について

老人ホーム9

老健とも呼ばれる介護老人保健施設は、自宅復帰のためのリハビリテーションを目的とした介護施設です。介護保険が適用されるため、入居中の費用負担は少ないのが特徴です。医師や看護師といった医療の専門家との連携も取られていて、昼夜問わず安心して暮らせる環境が保たれています。

介護老人保健施設の場合は、特別養護老人ホームとは違い、終身で入居することはできず、怪我や病気によって低下してしまった生活能力を高めるために、一時的に入居します。長期で病院に入院していた人が、病院を退院してから自宅に復帰するまでの期間に、介護老人保健施設を利用するケースが多いです。

ベッド上で過ごすことが多い入院中に衰えてしまった筋力を鍛え、日常生活に欠かせない動作を思い出せるように、個人個人のレベルに応じたリハビリのプログラムが組まれます。専門家に支えてもらいながら、適切にリハビリを指導してもらい、自身の持つ力を回復させられるのは、介護老人保健施設の大きな魅力です。

介護医療院について

介護保険が適用される公的な施設には、介護医療院もあります。介護医療院は、「医療」と名が付いていることからも分かるように、介護だけでなく、医療的な支援を受けられる施設です。医療機関が運営していることが多い介護医療院は、療養病床と呼ばれることもあります。

要介護度の高い利用者に対して、リハビリテーションを行ったり、食事や入浴の介助を行ったりするだけでなく、医療や看護の手厚いサービスを提供するのが、介護医療院の特徴です。ベッド100床あたりの医師の配置数が3人以上、看護職員や介護職員がそれぞれ17名以上と定められていて、医療や介護の専門知識を持つスタッフに見守られながら過ごせる環境が整っています。

たん吸引や酸素吸入、経鼻経管栄養といった医療行為を適切に提供してもらえるため、健康的な生活を安心して送れるでしょう。介護医療院は、介護施設のひとつではありますが、他の施設とは違って、レクリエーション等の実施は行われません。

医療サービスを受けられることを重視する人に適した施設だと言えます。

公的施設のなかでも費用負担が少ない施設とは?

ここまでに、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、と介護保険の適用となる3つの施設をご紹介してきました。費用面に関しては、どの施設も公的な援助が受けられますが、なかでも費用負担が少なくて済むのが、特別養護老人ホームです。

介護老人保健施設や介護医療院については、介護に加えて医療のサービスも受けられるのが魅力である一方で、その分費用が高くなってしまうという傾向があります。

年金だけで入居したいという希望を持っているのならば、特別養護老人ホームを第一候補として検討するとよいでしょう。入居に必要な費用については、施設によっても差があるため、各施設についての情報を適切に収集するようにしてください。

年金だけでも入居できる公的な介護施設に注目しよう

老人ホームは、公的な施設か、民間の施設かによって、利用者の経済的な負担が大きく異なります。特養と呼ばれる特別養護老人ホームは、公的な介護施設のなかでも特に費用の負担が少なくて済み、年金だけで老人ホームに入居したいと考えている人にもおすすめです。

ただし、地域によっては待機期間が長いこともあるため、希望してもすぐには入居できないこともあります。